秋月黒田城主のつぶやき

ほんわか、明るく、楽しく、でも凛と生きるための応援歌

秋月黒田と武士道ー「武士道」②力と美の対象、ノーブレス・オブリージュ

皆さん、こんにちは!

お元気ですか?

 

さて、前回は武士道の概観として「武士道とは何か?」ということの大まかなお話しをして、新渡戸稲造氏の書いた『武士道』の紹介を始めたところでした。

 

今回はその新渡戸氏の『武士道』の中からこれはご紹介したいと思う内容をいくつか抜粋して説明していきたいと思います。

 

「武士道は、日本の象徴である桜花と同じように、日本の国土に咲く固有の華である。それはわが国の歴史の標本室に保存されているような古めかしい道徳ではない。いまなお力と美の対象として、私たちの心の中に生きている。たとえ具体的な形はとらなくとも道徳的な薫りをまわり漂わせ、私たちをいまなお惹きつけ、強い影響下にあることを教えてくれる。」(PHP研究所Bushido 武士道 新渡戸稲造のことば」から)

武士道 新渡戸稲造のことば

 

これは新渡戸氏の『武士道』の冒頭の書き出しの部分です。新渡戸氏が『武士道』を書いたのは初版が1899年12月だったので、明治も32年ほどたった時期ですね。

この冒頭の書き出しから推察されるのが、明治も30年以上たってくると、「武士道」も当時の社会においても一般的には「古めかしい道徳」と捉えられるようになってきていたことが伺えます。

 

それでも、日本の象徴たる桜と同じ、「日本の国土」に咲く「固有の華」でもあり、さらにはいまなお「力と美」の対象として、私たちの心の中に生きている、そういう存在なのですね。

 

ここで興味深いと感じるのが、「武士道」とは一般的な印象では「力」に関係することと想像してしまうと思います。しかし、ここでは「美」の対象でもある、ということで、「美」にも関係してくる、ということです。

 

この「武士道が『美』にも関係してくる」という部分については、これからおいおいと『武士道』を読み進めていく過程でその関係性などを確認していきたいと思います。

 

さて、新渡戸氏の『武士道』はもともとの原本は英語で書かれたものですが、その後日本語に翻訳されて我々日本人の多くの手に届くようになったという流れがあります。そこで「武士道」とは英語で何と表現されているか。

 

Chivalry(シバルリー)という単語を使っていますが、これは「騎士道」という意味で使われているものとのことで、それを日本の「武士道」をどう訳するかという段でこのChivalryを使っています。これは日本の武士道との比較を意識した使い方だったようです。但し、新渡戸氏の『武士道』では騎士道と武士道との歴史的な比較研究はこの『武士道』の中ではメインのテーマではないということで展開しないと言っています。

 

そして、「武士道」の定義のようなことを説明している箇所にたどり着きます。

「武士道は、、、武士階級がその職業、および日常生活において守るべき道を意味する。一言でいえば、『武士の掟』、すなわち、『高き身分の者に伴う義務』(ノーブレス・オブリージュ)のことである」と説明しています。

 

「武士道」が、高き身分の者(武士)に伴う義務、ノーブレス・オブリージュであるという風に言われていますが、武士の義務であるという話からも、やはり「武士道」は武士にとってとても大切な、特別なものであることが伺えます。

 

それでは今回はこれくらいにして、次回はさらに先に進んで行きたいと思います!