秋月黒田藩の藩校稽古館と日本語の情景

おはようございます。

 

秋月黒田藩の藩校は稽古館という名称で設立されています。

1775年に秋月黒田藩7代藩主黒田長堅公の治世において設立されたのが始まりとされていますが、その際は「稽古亭」という名称だった由です。

 

その10年ほど後、1784年頃拡張の動きあり、名称も「稽古観」と改められましたが、後1806年の大火で焼失し、新しく建築完成したのは1810年。その後いつかは不明ですが、いつからか「稽古館」の名称で認められています。

 

これら稽古館を巡る名称の変更から、日本語の語感が持つ美しさや情景を想起させる

力を感じます。また藩校が持つ役割も、当時は機能性がより要請されるように感じる現代の教育のあり方とは異なっていたことを想像させます。

 

「亭」は開放的な作り、周囲を閉ざす壁がなく、屋内は外の空間に開かれている、

また、景色や季節の移ろいを眺めたりするための東屋、という意味があるようです。

 

「観」は目に映った印象、物事の様子、状態、仏教においては、心の本性などを心の中で観察し、仏教の真理に到達する方法、という意味があるようです。

 

「館」は屋敷、公共の建物、施設を表す とされています。機能的な印象を感じる気が

します。

 

現代の生活は基本的には多くの人に開かれていると一般的に言われていて、確かにオープンが恩恵を与える場面もあるのでしょう。ただ、自然の移ろいを眺める中で人とは何かを考えたり、心の中で物事をよく観察しそこから何かを導く姿勢が失われているのかもしれません。

 

歴史は繰り返される、という格言から考えると、案外、過去の姿勢から学ぶことは多々あるのかもしれないと思う今日この頃です。