水五訓ー己の進路
常に己の進路を求めて止まざるは水。
五訓のその他の教えの中でも、表面上の動き、前進を最も感じさせる
訓がこれではないかと思います。
官兵衛が大勝負に打って出るのは人生のいくつかの局面でですが、
その局面のことを表している訓とも思えます。難局、苦境、苦渋に
耐えることが多かったようにも思えますが、戦略家としての官兵衛
の中で、水のように潔く、透き通る心で自らを突き動かしていく何か
があったのではないかと感じます。
それが何であったのか、水のような無私、静のように見えるものも、
実は融通無碍に変転するものでもあり、でも変わらない何かが水には
ある。官兵衛は何故、キリシタンとしての立ち位置をこの世で取るよう
になったのか。
歴史家による解釈はそれとして、現代にも蘇るテーマであると思います。
自らの解釈を作る作業はずっと継続しています。歴史を学ぶ意味をよく
考えるのですが、まだ答えはありません。
私にとって、水に流すことのできないテーマでもあります。